負けたが「明日に繋がるゲーム」だった
北中米サッカーW杯で現地時間の29日、決勝トーナメント1回戦が行われ、日本代表はブラジル代表と対戦した。
前半は持ち前のコレクティヴなサッカーで、日本はむしろブラジルを「圧倒」していた。素早い攻守の切り替え(トランジション)を操り、敵に付け入る隙を与えない。押し込まれたら自陣に5-4-1の鉄壁のブロックを敷き、ボールを奪うと素早いカウンター攻撃を繰り出す。
このコンセプトは森保ジャパンのお家芸でもあるが、今回のチームが今までとひときわ違うのは、決して守備一辺倒にならない点だ。明らかにカウンターの鋭さ、威力が増した。
上田綺世や鎌田大地、前田大然、佐野海舟など鋭利で決定的な得点力をもつ選手と、それを助ける精度の高い周囲との連携プレーが目立っていた。
彼らは決して、守ってばかりのチームではない。攻守のバランスが非常によかった。
ただし今日のブラジル戦は佐野の先制ゴールのあと、前半の終盤から後半全般にかけて次第に綻びが出るようになる。1対1の競り合いで負けるシーンが出るようになり(前半にはなかった現象だ)、ジリジリと劣勢を強いられるハメになった。
そして、まるでその積み重ねの結果であるかのように、まず56分にカゼミーロの同点弾、96分にはガブリエウ・マルティネッリに逆転弾を喰らって負けた。
残念だったのは最悪、1-1の同点のまま延長戦に持ち込めなかった点だ。
おまけにもう挽回のしようがない後半のアディショナルタイム(90+6分)に2点目を取られて負けている。このあたり、日本は疲労の蓄積でメンタルの糸が切れてしまったのか、あるいは逆に「押せ押せ」の勢いにきっちり乗ったブラジルならではの「歴史と伝統の重さ」とでも言うべきだろうか。
悲観することはまったくない
ただし悲観することはまったくない。
以前の日本代表とくらべれば今のチームは何より決定力の高さがまるで違うし、持ち前のコレクティヴ度のレベル、また得意とする守備の精度や粘りも向上している。
このまま根気よくこのコンセプトを続ければますます完成度が増し、決勝トーナメント進出の常連といわず、さらにその先へも勝ち進めるようになるだろう。
サッカー日本代表の将来には、もはや期待しかない輝きが見える。